
F.S. Effect / Your Luvin'
甘さとタフネスが共存するNew Jack Swingの理想形
甘さとタフネスが共存する、New Jack Swingの理想形。1991年、US New Jack Swingシーンが最も成熟し、R&BとHip Hopの距離がイッキに縮まった時代に生まれた1枚。今回レコメンドするF.S. Effect / Your Luvin'は、その時代の空気を極めて純度高くパッケージした12インチシングルです。F.S. EffectはアルバムSo Deep It’s Bottomlessを1枚残したのみ、シングルもわずか2枚という短命なグループでしたが、本作を聴けば「消えていった存在」ではなく、「確かな瞬間を切り取った存在」だったコトがすぐにわかります。
ハネと前のめり感を両立させたビートメイク
イントロで鳴り響くのは、ハネるように配置されたドラムプログラミング…重心低めで鳴るキックに、シャープで歯切れの良いスネアが絡み、New Jack Swing特有の「ハネ」と「前のめり感」を同時に演出しています。その上を包み込むシンセは甘く、しかし過剰にはならない…ココで主役になるのが、青空を突き抜けるような爽快感を持ったヴォーカルワークっ!
Prince Markie Deeの繊細なプロデュース感覚
この絶妙なバランスを生み出しているのが、プロデューサーのMark Moralesです。元Fat Boysのメンバーであり、Prince Markie Deeとしても知られる彼は、巨漢ラッパーのイメージとは裏腹に、驚くほど繊細で洗練されたサウンドメイキングを得意とするプロデューサー。本作でもそのセンスは全開っ!重厚なビートの芯を保ちながら、ヴォーカルの甘さやメロディのキャッチーさを最大限に引き立てる構築力は、同時代の多くのNew Jack作品の中でも際立っています。
フロアとリスニングを両立する構成力
構成も実に優秀で、ブレイクで一瞬抜ける音数、ソコから再びグルーヴが戻る瞬間の高揚感…フロアでかければ自然と体が動き、家で聴けばヘッドノッドが止まらないっ! R&BとしてのメロウさとHipHop的なビート感覚が同居しているため、DJ目線で見てもメチャ使える1曲と言えるでしょう。
1991年という時代を刻んだ確かな証拠盤
実際、リリース当時はラジオのみならず、R&B寄りのDJからHipHop DJまで幅広く支持され、日本ではNew Jack Swingの定番曲として長く親しまれてきました。歌詞はYour Luvin'というタイトル通り、恋人からの愛情に身を委ね、その温もりを確かめ合う内容で、過度にドラマティックではなく等身大でストレート、その素直さがサウンドの爽快感と見事にリンクしています。New Jack Swing、90’s R&B、HipHopクロスオーバーが好きな人なら、針を落とした瞬間に「これは間違いないっ!」とカンジるハズっ!短命だからこそ輝いた、1991年の確かな証拠盤であり、いま手に取る価値は十分にある1枚です。






